結果はどうなっているのか。 すでに武道館で結果は出ているはず。 午後八時頃、OBが三人、ピーポッポに先着した。 「先生はまだですか?」 「そろそろ、来るんじゃないの」 「先に、行ってろって言われたもので」 「何か、好きな物飲んでいれば」 例年、大会の後は、ピーポッポで祝勝会。 今年はどうなったのだろう。 今年も、祝勝会になるとよいのだが。 やがて、先生達とOBがやって来た。 みんなのオーダーを聞いて、大急ぎでカクテルをつくる。 行き渡ったところで、乾杯! 「乾杯の時は、グラスはあてちゃダメだぞ。グラスに傷がつくから」 普通なら、ここで先生の挨拶やらがあるものだが、ゴチャゴチャ言わないところがいい。 「高橋さん、結果はどうだったの?」 「団体は二位。個人は入賞。みんな、よく頑張ったよな。 俺の思った以上の結果を出してくれて満足」 優勝は逃したようだ。 でも、明らかに、一位とは、力の差が歴然としていたようで、気持はみんなサバサバしている。 「生徒は、自分たちに何が足りないのか、何をしなくてはいけないのか、よく理解できたと思うよ」 城北弓道部は、合宿にしても大会にしても、OBたちが何時も沢山応援にくる。 これも、顧問先生の人徳か。 ある時はかつての先生、ある時は友達、そして色々な事の相談役。 大勢の教え子達に囲まれて、先生は幸せだ。 いずれ、この若者達は社会にはばたき、社会の中核をになう時が来る。 そんな若者の成長過程を、じっと楽しみにしながら、見つめていられるのは素敵なこと。 |