秩父の正月2日、のんびりした1日!
2018年1月2日

秩父の正月2日、午前8時ころ、目が覚め雨戸を開ける。
枯れ寂びた雑木林の彼方、朝日が山並から、顔を出し始めた。
太陽は徐々に、山々を照らしながら、澄み切った青空にのぼる。

陽光は強さを増し、空に浮かぶ雲海を、銀色に照り返す。
窓から燦々と、陽光が降り注ぎ、部屋の中に、広い陽だまりを作る。
その陽の中で、秩父に持ってきた、文庫本を開く。

正月のハレの日に、日常的な読書をすることに、何か贅沢な心持がする。
すると、窓ガラスを突風が、烈しく吹きつけた。
微風もない穏やかな、お昼前の午前、窓外の梢が激しく揺れた。

見上げると、枯れ葉が空に舞っていた。
静から動へ、一瞬に変わる、自然の躍動に驚かされた。
その一陣の突風は、すぐにやみ、静寂が戻った。

昼時になり、今年初めての、お雑煮をいただく。
お雑煮を食べると、今年もお正月を迎えたのだなと実感する。
テレビは箱根大学駅伝を流し、トップを東洋大学が走っていた。
 
食事を終え2階に戻り、先ほどの小説を読む。
やがて太陽は、中天から西に、少し傾き始める。
空は晴れ上がり、雲海がゆっくりと流れて行く。
 
そして、午後2時半過ぎ、小鹿野の里から、秩父神社に向かった。
今頃、秩父本町の親戚が、秩父市街を、獅子舞で流しているだろう。
秩父神社近くの、駐車場に車を置き、秩父神社へゆく。
 
すでに3時半過ぎだが、予想に反して、神社は参拝客で溢れていた。
長い列は、秩父神社の大鳥居まで、続いていた。
列の最後尾に並ぶ。

この状態では、どれくらいの時間待つことになることやら……。
参道を進み、階段を上り、神門を潜る。
そこから7列になり、拝殿へ進む。

想像したより、短い時間で、参拝することができた。
社務所で、今年も破魔矢をいただき、神社を後にした。
冬の短い陽は、すでに大きく傾き、市街に冷気が漂っていた。

秩父の市街地を、ぶらりと散策し、駐車場に戻る。
駐車場から小鹿野町に戻る道すがら、秩父ミューズパークの展望台へ立ち寄る。
陽は落ち、空は薄墨が溶け込んだような、暗い藍色に変わっていた。

無数の星が煌めき、満月が煌々と照り輝いていた。
満天の空の下、ライトアップされた、ハープ橋の姿が、純白に浮き上がり、幻想的だった。
さらに優美な橋の彼方に、秩父市街の灯が瞬く。

その市街地を抱きかかえるように、武甲山が夜空に浮かび上がる。
雄渾な武甲山は、何時みても神々しい。
やはり武甲山は、秩父の象徴であると、あらためて深く再認識した。